相撲スティック初場所その一(キクチスティック) |
すっかり初場所の余韻が消え去ってしまう程の時間が経ってしまいましたが、
先場所の所感を・・・。
ご存じのとおり、
朝青龍の優勝で幕が閉じたわけですが、
白鵬の3敗ってのはどうしたことでしょう。
以前にも書いたとおり、
白鵬には場所中全く覇気が感じられない日が1、2度あり、
つまらない負け方をすることがあったが、
大関昇進後はそれは見られなくなっていたので
克服したのだろうと思っていた。
それが1度ならず3度も。
最近の白鵬から考えると
何かあったとしか思えない。
酔って人を殴って激しく後悔、
なんてことはないと思うが
来場所からは気を引き締めて欲しいものだ。
さて、渦中の人である。
人殴って警察沙汰になりかけてるのに、
優勝しちゃうんだから強心臓というか何というか・・・。
白鵬の負けが込んで
千秋楽前に優勝を決めたのはいいが、
最後に白鵬に負けて
結局は星の差一つ。
朝青龍は
取り組み前の最後の仕切り直しに向かう時、
まわしを叩いて気合いを入れるしぐさをするのだが、
白鵬との直接対決の前にはこれが見られなかった。
優勝を決めていたし
別に勝ち負けはどうでも良かったのか。
かつての朝青龍には考えられないことなだけに
やけに目についた。
案の定、
白鵬得意の左上手をとられ
防戦むなしく今場所2敗目。
悪く言えば、
白鵬にもらった優勝と言えなくもないが・・・。
しかし、
優勝のコメントが痛快。
何かにつけて朝青龍にケチしかつけなかった、
内○牧子が今場所限りで
横綱審議委員を任期満了により退任するのだが、
「内○さんに良いはなむけになった」
と皮肉としかとれないコメント。
しかしこの騒ぎである。
それに関しては後程。
明るい話題もあった。
大関魁皇の
幕内最多勝利記録である。
最近は2桁白星もなく
なんとか勝ち越しという場所が続いているものの、
大関の地位を守りながらのこの記録はたいしたものだ。
「ただ大関であればいいってもんじゃない」
という厳しい意見もあると思うが、
前記録保持者の九重親方(元横綱千代の富士)
も言うとおり
誰も到達出来ない程、
記録を伸ばして欲しい(1000勝はムリだろうけど)。
そして、
大関千代大海の引退にもふれなければならないだろう。
ある意味ヤンキー丸出しの
強烈なつっぱりで大関まで駆け上り、
大関在位65場所という
これまた前人未踏の記録保持者である。
しかし、
近年は勝ち越すのがやっと、
という状態が長く続き
批判さえもされなくなってしまった。
パワー頼みの突き押し相撲は
年齢とともに衰えが見え始め、
安易な引き技で白星を拾うケースも目立った。
そして
先場所の負け越しにより、
遂に大関陥落。
関脇でむかえた今場所だが、
気力、
体力
とも不十分なのは明らかであった。
思うに
既に引退は決めていたのではなかろうか?
ただ、
ファンに最後の姿を見せることと、
気持ちに踏ん切りをつける為の出場であったのだろう。
そして3日目、
大関魁皇との対戦。
こんなに早くから
役力士どうしの対戦が組まれるはずはないのだが、
これは審判部の
「粋なはからい」
なのだろう。
同時代の大関として切磋琢磨し、
ここ数年は似たような境遇から
お互いに励ましあってその地位を守ってきた、
いわば「戦友」どうしである。
その魁皇に引導を渡されるのであれば、
千代大海もおそらく本望であったことだろう。
力士にとって、
得意の「型」を持つことは大事なことだが、
四つ相撲が全く取れなかったことも
寿命を縮めた要因であった。
もちろん、
下位の番付であれば
まだまだ取れたことは間違いないのだが。
今場所での引退は、
自分の「型」に対するこだわりと
長く大関を務めたプライドからの決断であったのだろう。
実のところ
千代大海はあまり好きな力士ではなかったのだが、
引き際は潔いものであったし
終わり良ければ、
ではないが今はお疲れ様と言いたい。
で、
なんとも後味の悪い引き際であった「あの人」については・・・
つづく